『 アンストッパブル 』 (2010)
監 督 : トニー・スコット キャスト : デンゼル・ワシントン、クリス・パイン、ロザリオ・ドーソン、 ケヴィン・ダン、イーサン・サプリー、ケヴィン・チャップマン、 リュー・テンプル、ケビン・コーリガン、デヴィッド・ウォーショフスキー、 ジェシー・シュラム、T・J・ミラー 実際に起きた列車暴走事故をベースに、その阻止に挑む2人の鉄道員の姿を描くサスペンスアクション。トニー・スコット監督とデンゼル・ワシントンが、『サブウェイ123 激突』以来の5度目のタッグを組む。CGを抑えた重厚な映像に加え、仲間や家族との絆のドラマも見所となっている。 貨物鉄道会社で働くベテラン機関士フランク(ワシントン)と、新米車掌ウィル(パイン)。二人が乗車する貨物列車に、一本の無線が入った。危険物の積まれた無人貨物が、ヤードから出発し暴走しているというのだ。大惨事が起こる前に、二人は何とか列車を停止させようとするが……。
Good!
・ 終始デンゼル・ワシントンが格好良い。難しい説明は一切不要、ただ暴走列車を止めるために奔走するというシンプルな映画なので、誰でもすんなり入り込める。99分間、理屈抜きに楽しめた。
・ ベテランと若造の友情、家族との軋轢、ぼんくら上司、とんでもないことをしでかすバカ、これでもかと続く序盤の不運、そこに颯爽と現れるヒーロー。感動要素がもれなく盛り込まれており、安心して観られる 。ラストのオチも笑える。
・ どうにも軽く見えるCG、3Dが多い中、この映画の暴走列車は凄い重量感とパワーがある。遮るものを何もかも跳ね飛ばし、吹き飛ばし、破滅に向かって突き進んでいく……その力強さが非常に痛快。
・ 円熟期にあるスコット監督の技法が見事。緊張感を保ちつつ煽る撮影方法や、大事なシーンでの一瞬のアップなどは、脚本とカメラを熟知した監督にしかできない芸当だ。
・ 列車の暴走という単純なストーリーを、よくもまあここまでの一級スペクタクルに仕上げたものだと思う。人間関係や社会環境なども必要最小限な描写に収められていて、ストレスなく観れる。
・ とにかく躍動感が凄い。リストラされ娘に見放された男の、半ばヤケクソ的な火事場のクソ力! 会社ではなく住民たちのために奮闘する、二人のヒーローのエネルギー! とことん熱く、勢いのある作品。
・ 映像の迫力はもちろん、登場人物たちの心理描写も巧みでどんどん引き込まれていきました。デンゼル・ワシントンは完璧な俳優さんです。最後は号泣していました。
・ 雇用情勢、権力保身、自己犠牲、家族愛等の要素をテンポよく織り交ぜ、飽きないドラマに仕上げられている。突っ込みたい内容や演出もあるが、それを補って余りある迫力のシーンが満載。よくまとまった作品だと思う。
・ 緊張感の続く中でも、飛び出すジョークの掛け合いが格好いい。若干ストーリーに粗さがあるものの、そこすら楽しむことができる映画だと思います。
・ テロリストとの駆け引きやトラップなどで見せ場を用意できた『スピード』などと比べ、無人で暴走する列車を止めるだけのシンプルな本作はかなり難しい題材だったと思う。監督の手腕がモロに問われる小細工のできない素材で、見事な料理に仕上げてくれた。
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No good
・ 実話が元になっているとは言え、全く盛り上がらない。人物の掘り下げも浅く、感情移入が困難。テレビのドキュメンタリーの方がまだ緊迫感がある。
・ 物語の時間軸がはっきりせず、暴走してからどれくらい時間が経過しているのかが観ていてわかりません。列車を止める方法もいたって幼稚で、鉄道好きなら怒るのでは。
・ パニックムービーとしては、さすがにトニー・スコット監督らしい迫力ある映像だった。が、やり過ぎた演出が役者たちのシリアスな演技を台無しにしている。それにしても、あの解決方法はない。「どうして最初からそうしなかったの?」と思ってしまった。
・ このトニー・スコットという監督は、兄のリドリー・スコット監督と違ってどこに行こうとしているのかがイマイチ分からない。グラグラと落ち着きなく揺れるカメラワークに、頻繁に画面が切り替わる目まぐるしい編集……目が疲れました。
・ ストーリー、伏線、登場人物、上映時間、それら全てが滞りなく、作業的にテキパキと消化されていく。まさに決められたレールを走るかのような作品。
・ とにかく映像が雑、そして音響がしょぼい。実話を基にしているので、わざとこんな感じに自重しているのではと勘繰ってしまうほど。どんでん返しも特になく、観たあとに妙な虚しさが残った。
・ 人間ドラマを捨てて、列車の凶暴化を取ったのは、二兎を追って失敗するよりは賢明だったのかもしれない。結果的にかなり大味な映画になったのは否めないが。
・ 画面の揺れや、突然のズームアップなど、映像の撮り方がいちいちクドい。もっと俳優の表情などで危機感を見せて欲しかった。ハラハラドキドキを感じるポイントの選択は、観る側に任せて欲しい。
・ 全てが予定調和。CG全盛の今のご時世じゃ、この程度のアクションではスリルもスピード感もなく、誰も興奮しないだろう。
・ ラストで全てが台無し。主役二人の度を越したハッピーエンドは興醒めもいいところ。二人がここまで美味しい思いをすると、ヒーロー的カタルシスも何もあったものじゃない。逆に「この事故が起きて良かったね」と皮肉りたくなる。
【関連作品】 『サブウェイ123 激突』 (トニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン主演) 『デジャヴ』 (トニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン出演) 『ドミノ』 (トニー・スコット監督) 『マイ・ボディガード』 (トニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン主演) 『エネミー・オブ・アメリカ』 (トニー・スコット監督) 『ザ・ファン』 (トニー・スコット監督) 『クリムゾン・タイド』 (トニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン主演) 『トゥルー・ロマンス』 (トニー・スコット監督) 『デイズ・オブ・サンダー』 (トニー・スコット監督) 『ビバリーヒルズ・コップ2』 (トニー・スコット監督) 『トップガン』 (トニー・スコット監督) 『ハンガー』 (トニー・スコット監督) 『インサイド・マン』 (デンゼル・ワシントン主演) 『ジョンQ -最後の決断-』 (デンゼル・ワシントン主演、イーサン・サプリー出演) 『トレーニング デイ』 (デンゼル・ワシントン主演) 『タイタンズを忘れない』 (デンゼル・ワシントン主演、イーサン・サプリー出演) 『ボーン・コレクター』 (デンゼル・ワシントン主演) 『マーシャル・ロー』 (デンゼル・ワシントン主演) 『ラストゲーム』 (デンゼル・ワシントン主演) 『戦火の勇気』 (デンゼル・ワシントン主演) 『フィラデルフィア』 (デンゼル・ワシントン出演) 『ペリカン文書』 (デンゼル・ワシントン出演) 『マルコムX』 (デンゼル・ワシントン主演) 『グローリー』 (デンゼル・ワシントン出演) 『遠い夜明け』 (デンゼル・ワシントン主演) 『スター・トレック』 (クリス・パイン主演) 『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』 (ロザリオ・ドーソン出演) 『デス・プルーフ in グラインドハウス』 (ロザリオ・ドーソン出演) 『シン・シティ』 (ロザリオ・ドーソン出演) 『アレキサンダー』 (ロザリオ・ドーソン出演) 『メン・イン・ブラック2』 (ロザリオ・ドーソン出演) 『シリコンバレーを抜け駆けろ!』 (ロザリオ・ドーソン出演) 『KIDS/キッズ』 (ロザリオ・ドーソン出演) 『大いなる陰謀』 (ケヴィン・ダン出演) 『トランスフォーマー』 (ケヴィン・ダン出演) 『スネーク・アイズ』 (ケヴィン・ダン出演) 『GODZILLA』 (ケヴィン・ダン出演) 『チェーン・リアクション』 (ケヴィン・ダン出演) 『デーヴ』 (ケヴィン・ダン出演) 『チャーリー』 (ケヴィン・ダン出演)
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