『 GANTZ 』 (2011)
監 督 : | 佐藤信介 | キャスト : | 二宮和也、松山ケンイチ、吉高由里子、本郷奏多、夏菜、綾野剛、 水沢奈子、千阪健介、白石隼也、伊藤歩、田口トモロヲ、山田孝之、 落合扶樹、土平ドンペイ、若葉竜也 | 週刊ヤングジャンプ連載の奥浩哉の原作を、二宮和也&松山ケンイチ主演で実写映画化。謎の球体「GANTZ」に召還され、謎の生命体と戦うことを強いられた人々を描くハードSFアクション。仏像やロボットなど、奇抜な姿の「星人」たちとの壮絶バトルが繰り広げられる。 就職活動中の大学生・玄野(二宮和也)とその幼なじみの加藤(松山ケンイチ)は、地下鉄の線路に落ちた酔っ払いを助け、共に電車に轢かれてしまう。目を覚ますと、二人は見知らぬマンションの一室にいた。部屋には「GANTZ」と呼ばれる巨大な球体と、玄野らと同じく連れ去られてきた人々がいた……。 |
Good! ・原作のようなエログロ描写は弱かったが、CGは良く頑張ってたと思う。松山ケンイチはこれまで癖のある役柄が多かったので、こういう真っ直ぐで熱い青年役は逆に新鮮でした。 ・戦闘シーンの迫力とスピード感が凄い! あのGANTZスーツが実写になって動いてることに感動。原作の過激な描写が抑えめなので、グロが苦手な人でも安心して観れる。 ・原作の6、7巻くらいまでの内容を破綻なく巧くまとめています。戦闘スーツもなかなか良い出来です。原作を知っている人なら、どこが同じでどこが違うのかを比べながら観るのも一興では。 ・原作は読んでいないのですが、そういう人の方が楽しめる作品かもしれません。とにかく世界観がしっかりしています。昼(現実)と夜(ガンツ世界)との対比が巧妙で、飽きさせない構成も好印象。漫画の方も読んでみたくなりました。 ・主人公二人の対比が面白い。キャラクターが上手く差別化されている。『ゼブラ-マン』に出てきそうなシュールな怪人たちも、個人的には好き。 ・「自分の存在意義」「何を守りたいのか」にテーマを絞り込んでいるので、とても分かりやすい。GANTZの世界に入ってしまった者たちの戸惑いも、丁寧に表現されていて共感させられる。良い意味で「邦画らしい映画」だと思う。 ・設定の意外さに感心、よくあんなのを思いつくものだ。テンポの良さ、キャスト、展開の面白さは充分に評価できる作品だと思う。夏菜さんは色気があっていいですね。 ・正直、実写映画化は不可能だと思っていました。ですが、ここまで違和感なく「GANTZ」の世界観を映像化してくれるとは。戦闘シーンもオリジナリティがあるし、ホロリとさせられる感動シーンもあった。 ・等身大のヒーローを魅力的に描いています。SFアクションにありがちな登場人物の心理描写のおざなりもなく、しっかり感情移入できます。前編と後編の切り方も上手い。 ・この作品の主人公は、「弱い奴は助けないと」という信念を持っている。作中で「俺に任せて逃げとけ」と言うシーンがあるのだが、その姿は格好いいというより非常にエゴイスティック。続編ではこの信念が悲劇をもたらすのかもしれない。 原作にはないこの切り口は、なかなかどうして悪くない。
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・SF、アクション、サスペンス、ホラーなど、色々なジャンルを盛り込んだ作品なのだが、それが災いして結果的に全てが中途半端。どれか一つのジャンルに集中した方がよかったのでは? ・尺の都合上ストーリーを変えるのは仕方ないのかもしれないが、改変による弊害が多く見られたように思う。岸本の自殺の理由が弱く、ネギ星人のときに起こしたアクションの動機もよく分からない。おこりんぼう星人のクリア条件も不明瞭だった。 ・世界観がよく理解できなかったので、ただ延々と闘いが続いているように感じてしまった。続編と合わせて一つの作品になるのだとしても、もう少し単体で楽しめる映画であって欲しかった。 ・本当に40億もの製作費がかかっているのだろうか。つたないCGのお陰で、画面がどうしようもなくチープ。何より身長の低い二宮では、GANTZスーツは全く似合わない。 ・戦いが売りの作品だが、こうも何度も見せられては飽きてしまいます。相手と仲間を変えて、同じ事を繰り返すだけ……目的不明の冗長な戦闘シーンに、後半はすっかりシラケてしまいました。 ・唐突に語られるお涙頂戴ドラマは失笑もの。加藤の「弟と二人暮しのベタベタな貧乏生活」の描写など、よく今やろうと考えたものだ。恋愛部分もひどい。吉高由里子は一体何のために出ていたんだ。 ・原作の玄野はごく普通のルックス、運動神経も特に良くなく、暗い性格のひねくれ者。そんな玄野役に二宮は明らかにミスキャスト。彼の演技力がどうこうではなく、根本的に役柄が全く合っていない。 ・描くべき部分を省き、省くべき部分を描いていない。加藤の弟の描写などに、あそこまで時間を割く必要があるのか? VFXも所詮「邦画レベル」の域を出ていないし、これを『GANTZ』だと思われるのは心外だ。 ・主人公に魅力がない。ただの暗い不気味な青年で、話を余計に救いのない方向に導いていく。特に、あの口癖には怒りすら覚えてしまう。 ・『ノルウェーの森』や『大奥』であれほど酷評された役者たちが、どうして懲りずに起用され続けるのだろう? 日本の映画界はそんなに人材難なのだろうか? 役柄と全くシンクロしていない二人を見て、余計にそう思えた。
【関連作品】 『ホッタラケの島 〜遥と魔法の鏡〜』 (佐藤信介監督) 『いぬのえいが』 (佐藤信介監督) 『修羅雪姫』1991年 (佐藤信介監督) 『大奥』 (二宮和也主演) 『硫黄島からの手紙』 (二宮和也出演) 『鉄コン筋クリート』 (二宮和也声) 『青の炎』 (二宮和也主演) 『ノルウェイの森』 (松山ケンイチ主演) 『カムイ外伝』 (松山ケンイチ主演) 『デトロイト・メタル・シティ』 (松山ケンイチ主演) 『ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ』 (松山ケンイチ主演) 『神童』 (松山ケンイチ出演) 『デスノート』 (松山ケンイチ出演) 『男たちの大和/YAMATO』 (松山ケンイチ出演) 『ウイニング・パス』 (松山ケンイチ主演) 『すべては海になる』 (吉高由里子出演) 『重力ピエロ』 (吉高由里子出演) 『蛇にピアス』 (吉高由里子主演) 『きみの友だち』 (吉高由里子出演) 『僕の彼女はサイボーグ』 (吉高由里子出演) 『転々』 (吉高由里子出演) 『歌謡曲だよ、人生は』 (吉高由里子出演) 『紀子の食卓』 (吉高由里子出演) 『K-20 怪人二十面相・伝』 (本郷奏多出演) 『青い鳥』2008年 (本郷奏多出演) 『シルク』 (本郷奏多出演) 『NANA2』 (本郷奏多出演) 『テニスの王子様』 (本郷奏多主演) 『大停電の夜に』 (本郷奏多出演) 『君に届け』 (夏菜出演)
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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画
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