『 英国王のスピーチ 』 (2010)
監 督 : トム・フーパー キャスト : コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム・カーター、 ガイ・ピアース、ティモシー・スポール、デレク・ジャコビ、 ジェニファー・エール、エイドリアン・スカーボロー、ロバート・ポータル、 マイケル・ガンボン 第83回アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞の4冠を達成した、英国国王の苦悩を描く実話に基づいたヒューマンドラマ。主人公のジョージ6世を『シングルマン』のコリン・ファース、そのセラピストを『ガフールの伝説』のジェフリー・ラッシュが演じる。 1936 年、英国。ジョージ6世として王位に就くことになったヨーク公(ファース)は、内気な性格と吃音症のせいで公務でのスピーチを極端に苦手としていた。そんな夫のため妻のエリザベス(カーター)は、オーストラリア人のスピーチ矯正専門家ローグ(ラッシュ)を連れてくる。
Good!
・ 派手さはないが、ジーンとくる映画。国王の幼少期のエピソードにはビックリ。あれはやっぱり実話なのだろうか……。
・ 人前で話せない国王というのが、不謹慎ながらも面白くて興味をそそられる。感情移入しやすい人柄で、一時はどうなることかと固唾を呑んでのめり込んでしまいました。是非、多くの人に観てほしい作品です。
・ 意外にも「男の友情」を描いた、しっかりとした正統派の作品という印象。ある程度ジョージ5世とジョージ6世について知っていた方が、より楽しめると思う。
・ 主演を務める役者陣らが秀逸。華やかで高貴、そしてクラシカルなムードに、英国王室への興味が湧いてしまいました。最後のスピーチシーンは、観ていて本当にハラハラドキドキします。
・ 国王という重責のプレッシャーと、吃音症の苦悩、その両方がリアルに描かれていてとても感動的。流れるピアノソナタもピッタリとはまっていて、完璧に近い完成度だと思う。
・ 主演のコリン・ファースが絶妙。彼が本当に国王に見えてきました。ジェフリー・ラッシュの存在感もいい。実際にイギリス人とオーストラリア人であるという設定にこだわりを感じました。
・ 最初は不安ばかりで頼りないジョージ6世。そんな彼がローグに助けられ、徐々に自信をつけながら立派な王になっていく……その過程が丁寧にじっくりと描かれており、心を震わされた。最後の力強いスピーチは感涙物。
・ 地位や立場を超えて「信頼や友情」が誕生する一幕を、「名前を呼び合う」という日々のありふれた行為の描写だけで画面に定着させることに成功した佳作。
・ 演技、演出、脚本、カメラワークと、どれをとってもプロフェッショナルの仕事を感じさせる文句のつけようのない出来。並木道の場面などは、思わず唸ってしまうほど見事だった。
・ コリン・ファースとジェフリー・ラッシュの高次元な演技合戦が見所! 二人の繊細な演技がぶつかり合い、ついには「指揮者」と「たった一人の楽団員」のような関係へと発展していく。主演二人の見事な一流ハーモニーがこの作品の真髄です。
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No good
・ ストーリーが至って単調で、何の盛り上がりもないまま終わってしまった。スタンダードな作りの無難な映画だとは思うが、それだけに途中で眠くなる。
・ 役者たちの演技は見事。題材も面白い。しかし映画としての出来はどうかというと、首を捻らざるを得ない。映画館で鑑賞したのだが、やけに外国人が多かったのが印象的だった。
・ 作品自体に大きな欠点はないのだが、もう少しライオネル側の苦悩を描いて欲しかった気がする。例えば『プラダを着た悪魔』のメリル・ストリープのように、一見完璧に見えて実は……という感じの。
・ 冒頭からしばらくはかなり退屈。ここで振り落とされないかどうかで、この作品の評価は決まると思う。そういう意味では観る者を選ぶ作品。
・ 想像はしていたが、それを超えて地味だった。特に悪人も出てこないし、それほど主人公が追いつめられるわけでもないので、最後の盛り上がりも弱い。そもそも、大観衆の前でスピーチができないことなんて、人として普通のような……。
・ もう少し深みのあるヒューマンドラマを期待していたので、肩透かしを食った印象。大体、吃音症を克服することがそれほど偉いことなのだろうか? 絶望から這い上がるようなカタルシス的な感動など、この作品には微塵もありません。
・ 実話であることを取ったら、ただの「ちょっとイイ話」でしかないストーリー。何よりコリン・ファースの演技がいただけない。巷での評価は高いようだが、王族の傲慢さばかりを前面に出して、人間味を出すことを疎かにしているように感じる。
・ あまりに過不足ない作りが、良くも悪くも作品を平凡にしている。二人の距離感を示すため敢えてピントをボカすカメラワークなど、非常に教科書的で工夫がない。
・ 何と言うか、ギリギリ酷い目に遭わないうちに克服していく展開に、ことごとく感動がスカされてしまった。ビー玉を使っての治療法は伏線になると思っていたのに、それもスカされてしまった……。
・ いっそ完璧にコメディとして撮った方がよかったのでは? 真面目な作りのせいで、逆に地に足がついていないフラフラとしたシーンが散見される。そもそも戦争が始まろうというのに、スピーチができたくらいで喜んでいる場合じゃないだろう。
【関連作品】 『ヒラリー・スワンク IN レッド・ダスト』 (トム・フーパー監督) 『シングルマン』 (コリン・ファース主演) 『Disney's クリスマス・キャロル』 (コリン・ファース声) 『マンマ・ミーア!』 (コリン・ファース出演) 『ラブ・アクチュアリー』 (コリン・ファース出演) 『真珠の耳飾りの少女』 (コリン・ファース主演) 『ブリジット・ジョーンズの日記』 (コリン・ファース出演) 『恋におちたシェイクスピア』 (コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ出演) 『イングリッシュ・ペイシェント』 (コリン・ファース出演) 『キャンディ』 (ジェフリー・ラッシュ出演) 『ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方』 (ジェフリー・ラッシュ主演) 『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』 (ジェフリー・ラッシュ出演) 『ファインディング・ニモ』 (ジェフリー・ラッシュ声) 『クイルズ』 (ジェフリー・ラッシュ主演) 『エリザベス』 (ジェフリー・ラッシュ出演) 『シャイン』 (ジェフリー・ラッシュ主演) 『アリス・イン・ワンダーランド 』 (ヘレナ・ボナム=カーター、ティモシー・スポール出演) 『ターミネーター4 』 (ヘレナ・ボナム=カーター出演) 『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』 (ヘレナ・ボナム=カーター、ティモシー・スポール出演) 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』 (ヘレナ・ボナム=カーター出演) 『チャーリーとチョコレート工場 』 (ヘレナ・ボナム=カーター出演) 『ティム・バートンのコープスブライド』 (ヘレナ・ボナム=カーター声) 『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』 (ヘレナ・ボナム=カーター声) 『ビッグ・フィッシュ』 (ヘレナ・ボナム=カーター出演) 『PLANET OF THE APES/猿の惑星』 (ヘレナ・ボナム=カーター出演) 『ファイト・クラブ』 (ヘレナ・ボナム=カーター出演) 『鳩の翼』 (ヘレナ・ボナム=カーター主演) 『フランケンシュタイン』1994年 (ヘレナ・ボナム=カーター出演) 『眺めのいい部屋』 (ヘレナ・ボナム=カーター主演) 『ハート・ロッカー 』 (ガイ・ピアース出演) 『ザ・ロード』 (ガイ・ピアース出演) 『タイムマシン』 (ガイ・ピアース主演) 『メメント』 (ガイ・ピアース主演) 『L.A.コンフィデンシャル』 (ガイ・ピアース出演) 『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』 (ティモシー・スポール出演) 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』 (ティモシー・スポール出演) 『ラストサムライ』 (ティモシー・スポール出演) 『バニラ・スカイ』 (ティモシー・スポール出演) 『チキン・ラン』 (ティモシー・スポール声) 『宮廷料理人ヴァテール』 (ティモシー・スポール出演) 『ハムレット』1996年 (ティモシー・スポール出演) 『秘密と嘘』 (ティモシー・スポール出演)
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